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厨房に必要な熱中症対策とは?


高い気温と高い湿度という環境下で、適切な対応を取らないことで発症する熱中症。厨房の中は、どうしても気温も湿度も高くなりがちですので、特に、これから夏の季節は、厨房の暑さ対策、熱中症対策が必要不可欠です。

今回は、飲食店における厨房に必要な熱中症対策について解説していきます。

厨房が熱中症になりやすい理由とは?


風が通らない室内で、強力なガスやオーブンを使用する厨房は、どうしても室内が高温になりがち。更に、洗い場、下ごしらえ、調理など、厨房には当然水が必要で、しかも、調理工程でお湯を沸かしたり、食材を茹でたりするので、必然的に湿度も高くなります。このように、飲食店の厨房は、熱中症になりやすい条件が揃っています。

そんな中、ガスやオーブンを使って調理される方は、その熱によって更に体温が上昇するので、熱中症のリスクがますます高まります。夏の厨房には、店内のエアコンだけでは、到底防ぎきれない、多くの熱中症のリスクが潜んでいるのです。
 

■厨房が熱中症になりやすい理由
  • 風が通らない室内
  • 強力な火力を使う
  • 高温多湿
  • 調理中の熱による体温上昇
  • エアコンが効かない
  • 火力の強いコンロを多用する中華系はとくに注意

熱中症対策【排気編】

厨房内の高温化対策に有効なのが「排気」です。調理中の湿気を含んだ熱い空気が、十分に排気されていることが必要です。まずは、排気設備に注目しましょう。

グリスフィルターなどの清掃をきちんとする

熱中症対策は、グリスフィルターの掃除から始めましょう。排気設備の入口となるグリスフィルターは、空気が含んでいる「油脂」を取り除きます。そのため目詰まりしやすいのですが、ここが詰まっていると排気が十分に行えません。ステンレス製のグリスフィルターであれば取り外せるので、月に1度ぐらいの頻度で掃除をすると良いでしょう。アルカリ洗剤を溶かしたお湯につけ、ブラシでこすると汚れが落ちやすくなります。

換気扇の交換

防火シャッターやファンまでしっかりと定期的に掃除していても、排気が十分でないこともあります。そのときは、換気扇(有圧扇)のグレードアップをしてみましょう。一般的にガス器具などの上は、フードで覆われ、熱や油を含んだ空気が厨房内に広がらないようになっています。集まった空気は、換気扇で外に吸い出される仕組みですが、その性能が低いと熱気がフードに収まりきらず、室内の温度を上げてしまうのです。送風機などを使い、厨房内の空気を循環することも効果的です。

熱中症対策【コックコート編】

厨房では、コックコートなどの厨房着を着用するのが一般的です。コックコートは、調理の際の安全対策として、耐熱性が高く火に強い生地で作られているものがほとんどです。耐熱性の高い生地は、どうしても衣類の中にも熱がこもりがちになりますので、ここにも、厨房で熱中症に気をつけなければなりません。

通気を良くする

水分やミネラル分のこまめな補給以外にも、休憩中にはなるべく、コックコートなど厨房着の前を開けて通気を良くして、服の中にこもった熱を逃し、体を冷やすようにすることが大切です。

厨房で働いていると、自分でも気づかないうちに、体温が上昇していることがあります。普段からすこし首周りや襟元をゆるめて、できるだけ風通しをよくして着るようにするだけでも違います。

濡れたままにしない

コックコートによく使われる素材に綿がありますが、綿には、吸水性が高く汗をよく吸う、という特徴があります。綿100%のコックコートを、汗で濡れたまま着ていると、通気性が悪くなり、熱が更にこもってしまう原因になります。スポットクーラーなどを利用して、汗で濡れてしまった生地をできるだけ乾かすようにすることも、暑さ対策、熱中症対策には有効です。

吸汗速乾性の高いインナーを着る

コックコートの中に着る服を、吸汗速乾性の高いインナーにすると、汗をかいたときでもベタベタせずに、快適性が上がりますので、こちらも暑さ対策には有効です。長袖やハイネックのものだと、コックコートから出てしまい、見た目にも衛生的にもよくありませんので、選ぶなら、半袖のクルーネックタイプのドライTシャツがおすすめです

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熱中症対策【厨房機器編】

近年では厨房機器においても、熱中症を防げるような画期的なアイテムが多く販売されています。必要なものがあれば適宜取り入れてみましょう。

低輻射型ガス厨房機器

輻射熱を抑えた「低輻射型ガス厨房機器」を使うことで、厨房内の室温があがるのを抑えることができます。厨房機器内に熱量を閉じ込め、集中的に排気する仕様があり、従来の厨房機器よりも熱を出しません。コンロ、オーブン、フライヤーなど様々なガス機器でこのタイプがありますので、ぜひチェックしてみてください。

スポットクーラー

厨房全体をクーラーで冷やすより、効率的にスタッフに冷気を当てるという「スポットクーラー」もよく利用されています。吹き出しダクトで人に冷気を当て、排気ダクトで室内に熱気を排出するタイプが便利です。

熱中症対策【その他】

ここまで、一般的に必要な厨房対策、排気対策、コックコート対策など環境面について説明してきました。その他にも熱中症を防ぐには、体調面の管理も重要です。寝不足や疲れた状態での作業は、熱中症のリスクを高めることになります。

スタッフの意識が大切になりますが、個々だけだと意識の差がでますので、お店としてルールを作っていきましょう。

日ごろの対策

熱中症は、気温の高い午後に多く起きると言われていますが、人の身体は午前中、軽い脱水状態にあります。午前中に作業する際も、水分の摂取を意識しましょう。

また、ピーク時に作業するときも注意が必要です。コンロの使用による室温の上昇に加え、慌ただしく作業するため体温も上がります。対策としては、15分おきなど、こまめに水分を取ることです。オープンキッチンなど、お客様の前で水分が取りづらい場合は、あらかじめ水分を取る場所を決めておきましょう。

  • 十分な睡眠
  • 栄養のバランスが取れた食事
  • 体調の変化に気をつけ、無理はさせない
  • こまめに水分補給。特に高温となる場所での作業は15分に1度は水分補給
  • ドリンクは、5度~15度程度に冷やしたもの
  • 冷やしすぎたドリンクは内臓に負担がかかるので注意
  • 首などを冷やすタオル、塩飴・塩タブレットの常備など

熱中症の応急手当

自分や周りのスタッフが熱中症だと思ったら、すぐに対応しましょう。熱中症が疑われる症状は、以下の通りです。

  • めまいや立ちくらみがある
  • 筋肉痛や脚をつったりする
  • 汗をふいても大量に出てくる
  • 頭痛や吐き気がある
  • 嘔吐する
  • つかれて全身がだるい

当てはまる症状がある、おかしいと思ったら、風がよく通る涼しいところに移動し、衣服をゆるめて身体を休めましょう。また、自力で水分が飲めるようなら、塩分の入ったスポーツ飲料、食塩水、経口補水液などを飲んでください。

意識障害やけいれんなどといった症状が見られる場合は、すぐ救急車を呼び、涼しい所で身体を冷やします。熱中症の応急処置については、環境省の「熱中症予防情報サイト」が参考になるので、一度スタッフ全員で確認しておくといいでしょう。

まとめ


熱中症について、会社がなにも対策せず事故が起きてしまった場合、安全配慮義務違反を問われる可能性もあります。麦茶、スポーツドリンク、塩分タブレットなどを用意して、作業中であってもこまめに水分補給するように声をかけ、適宜休憩を挟むなど、配慮が必要です。また、冷房、サーキュレーター(送風機)を使用する、温度計、湿度計を設置するなど、職場環境の改善に取り組んでいきましょう。

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